平成16年6月
(財)日本土壌協会

無洗米と普通米の環境影響評価(2年間のまとめ)

総合評価

1.この調査は主に、無洗米を製造し、それを消費する過程で、従来の普通米との環境影響の差を見ることを中心にスタートしたのであるが、調査を進める中で、副産物としての肌ヌカ肥料の環境に対する貢献まで、考えることが出来た。
即ち、今回取り上げた無洗米の製法によれば、肌ヌカを肥料として再利用することによりゼロミッションを達成できることになり、しかも、それが、一部でも化学肥料に取って代わることが出来れば、化学肥料の原料として限りある資源を使用することにブレーキをかけることが期待できる。
そこで、無洗米を作り消費し、又、その過程で出る副産物の肌ヌカ肥料を使うこと全てを無洗米の生産消費過程と考えて、従来使用してきた、普通米や化学肥料と比べどのように、環境への影響が変わるのかを一つの仮説として、米166gについての消費エネルギーに換算して試算してみると次のようになり、無洗米の方が消費エネルギーが少ないことがわかった。
項    目 Kcal
無洗米製造及び肌ヌカ肥料製造にかかるエネルギー 21.17
米のとぎ汁処理及び化学肥料製造にかかるエネルギー Y市の場合                              N町の場合 27.28〜28.04
720.42〜721.18
(註)
  • 166gの無洗米製造時には、肌ヌカ肥料2.97gが出来るものとした。(第62回農業機械学会年次大会における北海道大学大学院農学研究科の報告を参考にした)
  • この報告書の(その1)では、消費エネルギーをCO2にまで換算したが、化学肥料製造にかかわる消費エネルギーをCO2に換算する研究がまだ進んでおらず、無洗米製造から始まる全過程を通しての消費エネルギーをKcal に換算するにとどめた。
  • ここで化学肥料とは硫酸アンモニア、過リン酸石灰、塩化加里をさす。
  • 無洗米の製法は、東洋精米機製作所のBG精米製法で調査した。

2.肌ヌカ肥料の特性を見ると化学肥料に匹敵するだけの窒素、リン酸、加里を含み、しかも、有機肥料としての特性を備えている。
特に、植物に有効に作用する可給態窒素の含量が多く、逆に地下水汚染の原因になる無機態窒素の含量が少ないので、適量の使用に徹すれば近年話題になっている肥料(特に化学肥料)による、地下水汚染防止の一助にもなるものと思われる。


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